北海道大学の「総合理系入試」とは

北海道大学の文系・理系それぞれに「総合入試」という入試方式が導入されています。

「総合入試」では受験時に学部を決めずに入学し、1年次の成績をもとに、2年次に希望の学部・学科に移行します。

所属する学部・学科別入試とは異なり、大学で実際に学んだうえで希望の進路を選べることが最大の特徴です。

総合理系入試のメリット①：理系の55%が「総合理系」と、合格者数が多い！

北海道大学では、理系学部・入試方式すべての合格者の中で、「総合理系入試」の割合が55％。

2024年度入試では、1928人中1067人が「総合理系入試」の合格者で、合格者数が特に多いと言えます。

総合理系入試のメリット②：前期日程と後期日程の受験で、合格のチャンスが広がる

北海道大学では、ほとんどの理系の学部・学科別入試より、「総合理系入試」のほうが偏差値は低くなっています。

北海道大学の理系学部は、一般的に偏差値・難易度が高くなる後期日程でのみ学部別入試を実施している学部が多くあります。

そのため、前期日程の「総合理系入試」と単純な難易度比較はできませんが、前期日程と後期日程それぞれで受験できるので、合格のチャンスが広がるメリットがあります。

総合理系入試のデメリット①：入試の科目負担はやや大きい

「総合理系入試」の場合、個別試験（二次試験）で数学と英語が必須、各選抜群に応じて理科で2科目を受験します。

学部・学科別入試では英語が入試科目になっていなかったり、1教科だけの受験で済んだりするので、「総合理系入試」のほうが科目負担は大きいです。

総合理系入試のデメリット②：希望学部に行けるとは限らない

「総合理系入試」で入学した場合、1年次の成績をもとに、2年次に希望の学部・学科に移行します。

そのため、成績次第で希望の学部に所属できない場合があります。

理系では医学部医学科など、とくに人気の高い学部・学科があり、そのような学部を志望している場合、学年でもトップクラスの成績をとる必要があります。

総合理系の2年次、人気の学部・進路は？

「総合理系入試」で入学した場合、2年次の移行制度で人気となっている学部について、大学が公表しているデータはありません。

そこで、どのくらいの成績でどの学部・学科に移行できるか、現役北大生が実際に感じた印象をもとに人気＝高い成績が要求される難関学部・学科を推測しました。

一般的に難易度の高い医学部や獣医学部はもちろん、北海道大学で人気の高い農学部も難関と言えます。

また、近年のAI技術の発達により、工学部の情報系学科も人気が上がっているようです。

【現役北大生が証言】総合理系はつらい？入学後の苦労を解説

「総合入試」で入学すると、受験勉強を終えても、さらに過酷な勉強生活が待っていて、後悔する・つらいという声をよく聞きます。

そこで、実際に北大の総合入試を受けた進研ゼミOB/OGの現役北大生たちに話を聞いてみました！

やはり希望の学部に行くために、もう1年受験勉強するような苦労があるため、つらいという声がありました。

その分、希望の学部に行けたり、進路をじっくり考えられたりというメリットもあるので、一長一短。

志望学部がはっきりしている人にとっては、学部別入試で入学するほうが、入学後はラクに過ごせると言えるかもしれません。

北海道大学「総合理系入試」の偏差値・共通テスト得点率（2024年度入試）

北海道大学の総合理系入試の偏差値・共通テスト得点率を表にまとめました。

※偏差値は、2024年度の北海道大学公表の入試結果より、合格者の2023年度弊社記述模試（７月・10月実施）の平均偏差値を表示。
※共通テスト得点率は、各募集単位における2024年度北海道大学入試合格者の共通テスト平均得点率を900点集計で表示。弊社共通テスト自己採点集計（データネット）と入試結果調査に基づいて算出。

「総合理系」では、下記3つの学部・学科以外は「総合理系」のほうが偏差値は低くなっています。

北海道大学「総合理系入試」の倍率（2024年度入試）

「総合理系」各選抜群の合格者数と実質倍率は以下のようになっています。

※北海道大学の2024年度入試公表資料をもとに弊社作成。

北海道大学「総合理系入試」の入試科目・日程（2025年度入試）

「総合理系」では、各選抜群で共通テストの受験科目は共通していますが、個別試験（二次試験）の科目がそれぞれ異なります。

共通テスト

※1 情報Ⅰは点数化せず、同点者がいる場合の順位決定に活用

個別試験（二次試験）：数学重点選抜群（3教科、450点満点）

個別試験（二次試験）：化学重点選抜群（3教科、450点満点）

個別試験（二次試験）：物理重点選抜群（3教科、450点満点）

個別試験（二次試験）：生物重点選抜群（3教科、450点満点）

個別試験（二次試験）：総合科学選抜群（3教科、450点満点）

「総合理系入試」志望者が出願を検討している大学・学部トップ5

「2024年度 第3回ベネッセ・駿台大学入学共通テスト模試」の受験データをもとに、北海道大学の「総合理系入試」受験者が出願を検討している大学・学部トップ5をまとめました。

実際に出願時に受験を検討する大学・併願大学となる可能性が高い大学・学部がわかります。

国公立大（前期日程）の出願検討大・学部

前期日程では北海道大の総合理系がもっとも多く、同じ入試枠でも違う方式の出願も検討している人が多いということがわかります。

また、東北大への出願を比較・検討している志望者が多くいました。

後期・中期日程になると、合格のチャンスを増やすために北海道大の理系学部の学部別入試を受験すると同時に、同じ北海道地方にある少しレベルを落とした大学を滑り止めとして検討している層が多いことがわかります。

国公立大（後期・中期日程）の出願検討大・学部

私大を見ると、やはり首都圏の大学志望者が多いためか、明治大と東京理大への出願を検討している人が多くいました。

私立大の出願検討大・学部

※共通テスト利用あり/なし両方を含む。

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