将来の仕事として『看護師』に興味がある。
『看護師』の仕事や進路、コロナ禍での現場について知りたい。
そんな高校生に向けて、2021年7月開催されたセミナー『オンライン職業体験 看護師のリアル』。
そこで参加者のみなさんから寄せられた質問に対して、セミナーで講師を務めた現役看護師の上原さま、そして『ミライ科』の元看護師ライターまぁが、お答えします!
病棟勤務歴13年の元看護師ライター、まぁです!
高校生のみなさんからの質問は「気持ちわかる...!」というものや「看護師じゃない人からしたら、わからないよね」というものなど、鋭いものばかりでした。
看護師を志すきっかけになるよう、イメージがわきやすい回答にしたので、参考にしてくださいね!
こちらの記事では、看護師という仕事や職場についての質問と回答を掲載しています。
【進路・進学編】
Q1.看護師になるためにがんばったことは?
Q2.看護師を志望した理由は?
Q3.看護師に必要な能力ってある?
Q4.血がニガテな人は看護師に向いてない...?
Q5.精神的に強くないと看護師に向いてない...?
Q6.進学は病院と提携している大学に行くべき?
【仕事・職場編】
Q7.自分の働きたい診療科に配属されますか?
Q8.看護師のプライベートってどう?
Q9.男性で看護師になることが不安...
Q10.看護師の人間関係って?
Q11.救急看護と普通の看護師の違いって?
Q12.回診のときの対応の仕方は?
Q7.自分の働きたい診療科に配属されますか?
看護師になって、呼吸器内科で働きたいと思っています。病院では自分が働きたい診療科に行けるのですか?
上原さまの解答
雇用先の状況や条件によるので何とも言えません。みんなが希望通りになるとは限りません。
また、総合病院などでは数年ごとに部署移動をする病院が多いです。少しずつキャリアを積んでいく看護師が多いですね。
しかし、自分の希望を伝えることはできます。
病院では毎年、希望の診療科を聞くところがほとんどですが、希望通りの診療科に行けるとは限りません。希望の診療科がある場合は、配属されるまでずっと希望し続けましょう。
しかし、たとえ希望ではない診療科で働くことになっても、学びも多く、そこでの経験は必ず役に立ちます。
希望の診療科に行ったときはもちろん、結婚や出産など、自分のライフスタイル・働き方が変わったときにも、その経験は活きてきますよ。
Q8.看護師のプライベートってどう?
プライベートは充実していますか?趣味を楽しんだり、遊んだりする時間はありますか?
上原さまの解答
今はコロナの影響で難しくなりましたが、以前は年に1度、同期の看護師と海外旅行に行くことが楽しみでした。
同僚や先輩との飲み会などで本当にたくさんの話をし、多くの影響を受けました。
プライベートで自分の趣味を充実させている看護師はたくさんいます。看護師はプライベートを充実させるのが上手な人が多いと思います。
土日に勤務があったり、日勤・夜勤などで勤務時間がバラバラだったりするので、友人などと予定を合わせにくいこともあります。
ただ、その分、貴重なプライベートをどう楽しく過ごすか作戦を練ることになるので、充実したプライベートを過ごす人が多いのかもしれませんね!
Q9.男性で看護師になることが不安...
男だと敬遠されてしまう事はありますか?
また、病院勤務の男性はどれくらいいらっしゃいますか?
上原さまの解答
男性同士の方が良いこともあったり、女性の患者さんでも男性の方が良かったりすることもあります。
また、力が必要な職場や急性期(精神科や救急外来、救命病棟、手術室など)は男性が多い印象です。
日本看護協会のHPから、年次ごとの看護職の数を確認することができます。
【男性の看護職総数】
2008年:約6.8万人
2018年:約11.8万人 ※看護職全体の1割弱
【病院勤務の男性】
2008年:約5.7万人
2018年:約9.8万人
以上のデータからわかる通り、男性は1割弱しかおらず、まだまだ少ないのが実情です。
とはいえ、この10年で看護職の男性は約1.7倍に増えており、確実に増加傾向と言えます。実際に現場でも男性看護師は珍しくなくなってきています。
男性は少ないので、女性ばかりの職場で馴染むまでが大変かもしれませんが、逆に男性であることを活かして力仕事もできるなど重宝もされます。
Q10.看護師の人間関係って?
看護師さんの人間関係はむずかしいですか?
他の職業とは違う部分はありますか?
上原さまの解答
看護師だから、という人間関係の難しさはないと思います。
人間関係は、どんな職場でも、学校でも同じだと思います。気の合う仲間がいれば支えあっていけます。同期の看護師は、仲良く切磋琢磨していることが多いですね。
人間関係って、やっぱり不安になりますよね。でも、看護師と言っても、他の職業と何も変わりません。
さまざまな考えの人がいるので、ときには合わないこともあるかもしれませんが、患者さんのためを思う気持ちはみんな同じなので、お互いを認め合うことができるはずです。
Q11.救急看護と普通の看護師の違いって?
救急看護と普通の看護師には、どんな違いがありますか?
上原さまの解答
医療現場ではいろいろな区分けがありますが、そのうちのひとつとして「急性期」「回復期」「慢性期」という分け方があります。
「急性期」は、救急や手術、産科など、患者の状態が刻一刻と変化する状況。
「回復期」は、急性期を過ぎて改善に向かい、リハビリなどを行うような状況。
「慢性期」は、長期的に病気の治療と向き合って過ごしていく状況。
それぞれのステージで対応する医療は変わります。看護師の中には自分がどのステージの看護がしたいか、向き不向きや好みを自覚し、目指す方向を決める人が多いと思います。
救急看護(急性期)は緊急性のある、一刻を争う状況の患者さんを看るため、治療がメインになりやすい側面があります。
対して、普通の看護師(回復期・慢性期)、ここでは病棟の看護師をイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、治療はもちろん、患者さんとのコミュニケーションや心のケアも重要になってくるという違いがあります。
それを念頭に自分がどのような看護師を目指したいか考えてみてくださいね!
Q12.回診のときの対応の仕方は?
患者さんへの回診で、予想していたよりも時間が延びてしまったり、短くなったりしたときはどう対応していますか?
上原さまの解答
必要があって要している時間であれば問題はありません。他の患者さんに「少し遅くなりますよ」という声掛けをしてお待ちいただく、という配慮はするかもしれないですね。
そのために患者さんや先生、他の看護師と常に連絡を取るようにしています。
回診は患者さんが医師と直接話せる貴重な機会、コミュニケーションの場なので、基本的に時間制限はありません。
仕事・職場についての質問と回答は以上です。前編となる記事では、看護師の進路・進学先についての質問と回答を掲載しています。
こちらもぜひご覧ください!
\看護師Q&A前編/
<この記事を書いた人>
進研ゼミ高校講座
元看護師ライター/まぁ
病棟勤務歴13年の元看護師。小さい頃に入院し、そのときに出会った看護師さんに憧れて看護師を目指す。
小児科、新生児集中治療室、血液内科での経験が長く、耳鼻科、眼科、内分泌内科の経験もあり。
さまざまな疾患・患者さんがいるので、日々勉強や葛藤もありますが、患者さんの笑顔や元気になった姿が大きな喜び・やりがいにつながる魅力あるお仕事です!ぜひ看護師を進路選択に加えてくださいね!
協力:公益社団法人 東京都看護協会
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。
匿名
2022年3月 6日 19:52
私は小5の時に青年海外協力隊の活動の本を読み、そこから世界の抱える貧困や紛争等に興味を持ちました。ある人の「この世界に生まれたからには、厳しい現実に目を向け、行動することは義務だと思う」と言う言葉をきっかけに看護師という夢を実現させたいと思うようになりました。父母が介護をしていて毎日大変さや、嬉しかったこと、やりがいに加え、その方から学んだことなどを聞かせてくれます。きっと看護師も一人一人に向き合い、最後まで見捨てずに支えていくことが大切なんだろうなと思っています。
今回のコーナーはとても勉強になりました。
ありがとうございました。
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