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共通テストと2次試験、どっちが大事? 国公立大合格のための必勝法

入試情報
2024/12/18
共通テストと2次試験、どっちが大事? 国公立大合格のための必勝法

近年は、私立大の入試でも活用される 大学入学共通テスト(以下「共通テスト」) ですが、そもそも国公立大の一般選抜を受ける場合、共通テストの受験が欠かせません。

この記事では 「国公立大志望者にとって共通テストがどうして重要なの?」「共通テスト 2次試験対策のどちらに力を入れたらよいの?」 というギモンについて解説していきます!

そろそろ受験勉強を始めようと思っている高2の方向けの記事です。

まずは、前提となる国公立大の一般選抜のしくみから見ていきましょう!

国公立大の一般選抜のしくみと共通テストの重要性

国公立大の一般選抜は、1月に実施される 共通テストと 、大学ごとに行われる 2次試験(個別試験)の合計点で、合否が決まり ます。そのため、国公立大を志望する人は共通テスト受験が必須です。

個別試験 は「前期日程」「中期日程」「後期日程」の 3日程あり、全国一斉に行われます。

●前期日程... 2月下旬頃実施

●中期日程... 3月初旬頃 実施( 一部の公立大のみ )

●後期日程... 3月中旬頃実施 (近年は、実施しない大学・学部が増えている)

受験生は、前期・中期・後期で、それぞれ1校ずつ出願できます。つまり、 合格のチャンスは最大3回 あるということです。

共通テストと2次試験で合否が決まる.jpg

前期日程で合格して入学手続きをした場合、後期日程や中期日程を受験しても合格できないしくみになっているので、 1志望は前期日程で受験するのが基本 です。

前期と後期で、同じ大学・学部を受験することも可能ですが、近年は後期日程を実施する大学は減っています。国公立大志望者で、すでに行きたい大学、気になる大学がある人は後期日程があるかどうか、入試情報を調べておきましょう。

共通テストの得点次第で2次試験を受けられないケースも

「二段階選抜」という言葉を耳にしたことはないでしょうか? これは、志願倍率が一定以上になった場合、「共通テストの成績によって 第 一 段階選抜 を行い、その合格者に対して2次試験を実施する」というしくみです。

つまり、 共通テストの成績が悪いと、2次試験が受けられない こともあります 。

二段階選抜の実施は、東京大や京都大などの最難関国立や医学部医学科などで見られます。倍率や共通テストの成績の基準は大学の募集要項で確認できます。

共通テスト と個別試験の配点は大学・学部によって異なる

国公立大学で課される共通テストの教科・科目は、6教科8科目が一般的です。

ただし、 「共通テストで課される教科・科目と配点」「個別試験で課される教科・科目と配点」は、各大学・学部 異なります。

例えば、東京大・文科一類と信州大・法経学部の前期日程(2025年度入試)の例を見てみましょう。

< 東京 大・ 文科一類(前期) >

共通テスト:6教科9科目(110点満点)

2次試験:4教科(440点満点)

国語(120点)、数学(80点)、英語(120点)、地歴(120)

→共通テストの配点比率は20%。

< 信州 大・ 法経学部(前期)>

共通テスト:5、6教科7科目(900点満点)

2次試験:1教科(250点満点)

国語、数学、英語から1教科選択(200点)、調査書(50点)

→共通テストの配点比率は約78%

このように、同じ学部系統でも、大学によって配点比率に差があります。

他の大学の配点例も表にまとめたので、参考に見てみましょう。

共通テストと個別試験の配点の例.jpg

*各大学発表資料より、ベネッセ作成

同じ大学でも学部によって配点比率が異なる

上では同じ学部系統でも大学によって共通テストの配点比率が異なる例を挙げましたが、 同じ大学でも学部によって配点比率が異なります

大阪大を例に見ていきましょう。

<大阪大・文(前期)>

共通テスト:6教科9科目(250点満点)

個別試験:3教科(400点満点)

国語(150点)、英語(150点)、数学・地歴から選択(100点)

→共通テストの配点比率は約39%

<大阪大・人間科学部(前期)>

共通テスト:6教科8、9科目(630点満点)

個別試験:3教科(600点満点)

国語(200点)、数学(200点)、英語(200点)

→共通テストの配点比率は約51%

文学部の入試では、共通テストの配点比率が低く抑えられているので、個別試験が重視されていることがわかります。

入試科目や配点から大学の特徴が見えてくる

どうして大学や学部によって、配点比率が異なるのでしょうか?

大学入試は、「 大学 の授業を理解したり、大学で 研究 に取り組んだりする力があるか」を測るものです。

共通テストの配点比率が高い大学であれば、「幅広い教科で、基礎的な学力をしっかり身につけて入学してほしい」と考えているのかもしれません。

2次試験で特定の教科の配点を高くしている大学は、「大学で高度な研究をするので、この分野の学力は必ず高めておいてほしい」というメッセージを出していると考えられます。

このように入試科目や配点からも、大学・学部の特徴が見えてきます。

すでに行きたい大学や気になる学部がある人は、入試科目と配点にも注目してみましょう。

共通テスト対策と2次試験対策の重要性とバランスの取り方

共通テストと2次試験の対策、どっちが大事なのでしょうか?  結論を言ってしまえば、 どちらも大切 です。最初に説明したとおり、「共通テストの得点」+「個別試験の得点」で合否が決まるからです。

高1・高2のうちは気になる大学の一般選抜の配点を調べ、共通テストと個別試験のどちらが重視されているのかを確認しておくとよいでしょう。

勉強面に関しては、 ニガテをつくらないようにすること が大切です。共通テストには、高1・2年の範囲からも多く出題されます。高3になって2次試験対策をするにしても、ニガテがある状態では、なかなか成績が伸びないでしょう。

重要なのは、 授業をその都度、理解していくようにする こと。そして、 ニガテになりかけている科目があれば、放置せず、早めに対策 をしておきましょう。

まずは、日々の勉強にしっかり取り組みましょう!

進研ゼミ√Routeの『共通テスト徹底解剖News !』 では、今後も共通テストに関するニュースや、読んで得する情報を発信していきます。ぜひご期待ください!

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※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。

<この記事を書いた人>
株式会社オンソノ
教育情報や受験情報に詳しい編集プロダクション。15年以上に渡り、高校生や大学生、高校教員、大学教員の取材をおこなってきました。受験情報誌や保護者向けのWebサイト、教育関係者向けの専門記事を数多く手がけています。