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共通テストとは?試験内容と対策方法を徹底解説

入試情報
2024/12/18
共通テストとは?試験内容と対策方法を徹底解説

毎年、受験シーズンになると「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」の話題がニュースで取り上げられます。「受験はまだ先の話」と考えている高1・高2のみなさんも、実際に受験する先輩の姿を目にしたり、平均点の話題がニュースに出てきたりすると、気になるのではないでしょうか。

実際に、 受験生にとって、共通テストはとても重要な試験 です。

そのため、早い段階で共通テストがどのような試験なのかを理解して、準備を始めておくことが大切です。

この記事では共通テストの概要、試験内容、対策方法について詳しく解説します。共通テストの基本を押さえましょう。

共通テストの概要:国公立大・私立大を問わず、多くの受験生が利用!

共通テストは、大学の授業を理解したり、大学で研究に取り組んだりするときに必要とされる、高校段階の基礎的な学習の達成度を測る試験です。

毎年 1月中旬の土・日曜2日間にわたって実施されます。

2025年度の 共通テストの志願者はなんと約50万人! そのうち、86%が現役生 です。

大学入学共通テスト志願者数、現役生の割合.jpg

*大学入学共通テスト(2025年度入試)志願者数(大学入試センター発表資料をもとに作成。2024年12月11日現在の数値)

共通テストは国公立大の 1次試験として用いられるので 、国公立大受験者は、原則として必ず受験 します。

一方、 私立大でも多くの大学で「共通テスト利用入試」として、活用されています 。共通テスト利用入試を実施する大学は全私立大の約 9割にのぼります。

さらに、推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)でも、共通テストを課す大学が増えています。

そのため、共通テストは多くの受験生にとって非常に重要なテストとなっています。

共通テストの出題教科・科目

共通テストの出題教科・科目は、 7教科(国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、情報)21科目。受験生はこの中から、志望する大学が指定した教科・科目を受験します。

国公立大の場合、 6教科8科目を課す 大学が一般的です

共通テストの出題形式と出題範囲

出題形式は 「マーク式」 です。

出題範囲は、学習指導要領で定められた高1~3の教科書。実生活の課題を知識と組み合わせて解決する問題や、複数の資料(グラフや地図、写真など)を読み解いて考察する問題も出題されます。

高校で学習する内容を深く理解しておくことが必要です。

共通テストの難易度と平均点

共通テストは前身のセンター試験と比べ、難しくなったと言われています。

その理由としては、以下の3つが挙げられます。

基礎から応用まで が試される

分野の深い理解 が必要

読解力とスピード が求められる

共通テストは、知識だけで解けるようなシンプルな問題は少なく、分野に関する深い理解が必要です。

また、どの科目にも共通する特徴は、 読み解く文章量や情報量が多い こと。

選択肢の文章も長いので、マーク式とはいえ、素早く考え、対応していくスピードが求められます。

平均点が気になる人もいるでしょう。

2024年度の共通テストの5教科900点集計の予想平均点は、文系が536点(得点率約60%)、理系が559点(得点率約62%)*。

国公立大志望者は 5教科全体で約6割が平均点 と言えそうです。

*「データネット実行委員会」(ベネッセコーポレーション/駿台予備校)調べ

文章を速く、正しく読む力が不可欠

共通テストの英語・国語は文章量が多いのが特徴です。

複数の文章や資料を速く正しく読み取り、情報を的確に処理する力が求められます。

試験では読むだけでなく、情報を整理したり、考えたり、マークしたりする時間が必要ですから、こうした時間を確保するために、文章を速く正確に読み解く力を磨いておくことが欠かせません。

「使える英語力」が試される

大学受験では、英語は文理を問わず、多くの大学で重視されます。

共通テストの英語は日常の場面を扱った問題が出るため、英単語や文法の知識だけでは解けない「使える英語力」が試されます。

また、共通テストの英語は、リーディング 100点、リスニング100点の配点です。前身のセンター試験と比べて、 リスニングの配点比率が高くなり、差がつきやすい のでリスニング対策も重要になってきます。

なお、素点の配点比率は1:1ですが、実際の入試におけるリーディングとリスニングの配点比率は、大学によって異なります。入試要項を確認しましょう。

2025年度入試からの、共通テストの変更点

2022年度から学習指導要領が変わりました。これにより、新しい学習指導要領で学んだ高校生が受験する2025年度入試から共通テストも変わります。

2024年度の共通テストは出題教科・科目が6教科30科目でしたが、2025年度入試からは新教科「情報」を加えた7教科21科目になります。

大学入学共通テストの出題教科・科目.jpg

大学入学共通テストの出題教科・科目( 2025年度)

*独立行政法人 大学入試センター「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト受験案内」をもとに加工

変更のポイントは以下のとおりです。

● 「地理歴史」「公民」で出題科目が大きく再編。

● 数学②で「数学Ⅱ、数学B、数学C」が1科目になり、試験時間が延長。

● 国語は問題構成と配点が変更となり、試験時間が延長。

試験時間に注目すると、新たに加わった「情報」で 60分、国語と数学②で10分ずつ増加しているので、全体で80分増えています。

本番では集中力キープと体力が欠かせなくなりそう です。

共通テストの時間割

共通テストは 2日間にわたって実施されます。

2025年度の共通テストは2日間とも9時30分からの開始になります。

( 1日目の「地理歴史・公民」で1科目選択の人、2日目の「理科」で1科目選択の人は10時40分からの開始)

1日目に実施される教科は「地理歴史・公民」「国語」「外国語」

2日目の実施される教科は「理科」「数学①」「数学②」「情報」 です。

1日目に文系教科が集まっているので、私立大の「共通テスト利用入試」で文系科目のみ受験が必要な場合は、1日目だけの受験となります。

大学入学共通テストの時間割(2025年度).jpg

*独立行政法人 大学入試センター「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等の予告」をもとに加工

やむを得ない理由で受験できない場合は追試験も

共通テスト当日、病気や怪我、交通機関の遅延など、何らかの理由で試験を受けられなかった場合、 別日程で追試験を受けることも可能 です。

受験票に記載されている問い合わせ大学に申請したうえで、その理由が認められた場合にのみ受験できます。

追試験の日程は、本試験から 2週間後です。

高1・高2から始める共通テストの対策

共通テストでは 高校 1・2年生で扱う範囲から多く出題 されます。普段の予習・復習や課題、定期テスト対策などの勉強をとおし、授業の内容をしっかり理解し、定着させましょう。

高1・高2のうちから しっかりと基礎固めをしておくことで、その後の受験勉強も進めやすく なります。まずは、日々の勉強にしっかり取り組みましょう!

進研ゼミ√ Routeの『共通テスト徹底解剖News!』では、今後も共通テストに関するニュースや、読んで得する情報を発信していきます。ぜひご期待ください!

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※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。

<この記事を書いた人>
株式会社オンソノ
教育情報や受験情報に詳しい編集プロダクション。15年以上に渡り、高校生や大学生、高校教員、大学教員の取材をおこなってきました。受験情報誌や保護者向けのWebサイト、教育関係者向けの専門記事を数多く手がけています。