「めざしたい大学・学部はあるけど、学費が高くて保護者に言いづらい...」
「憧れの大学に進学してひとり暮らししたいけど、お金が厳しいかも...」
進路を考えるにあたって、お金の問題はどうしてもネックになりやすいもの。
こんな時、強い味方になってくれるのが奨学金です。
特に近年は、独自の給付型(返さなくてよい)奨学金制度を備える大学が増えているので、注目したいところです。
この記事では、「実現したい学び」をサポートしてくれる、「大学独自の給付型奨学金」について紹介します!
奨学金制度は「貸与型」と「給付型」の2種類に分類される
「奨学金」は、経済的理由で進学が難しい学生がお金を借りたり、給付を受けたりできる制度です。
奨学金には大きく分けて、「貸与型」(卒業後に返す義務がある)と「給付型」(返さなくてよい)があります。
それぞれのタイプについて、簡単に説明しましょう。
■貸与型奨学金
貸与型としてよく知られているのが、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金。
具体的には、第一種奨学金(無利子で借りられる)と第二種奨学金(有利子で借りる)があります。
そのほか、地方自治体や公益財団法人などでも貸与型奨学金制度が用意されている場合があり、JASSOのサイトで検索できます。
■給付型奨学金
給付型は、返還義務がない(返さなくてよい)奨学金制度。
将来の負担がないのがうれしいポイントですね。
給付型奨学金は、JASSOのほか、地方自治体、公益財団法人、企業、大学などが実施しています。
中でも注目したいのが、大学独自の給付型奨学金制度。
国公立大・私立大ともに、多くの大学で複数の制度が用意されています。
特に、受験前に大学に申請するタイプの「予約給付型奨学金」は、入学時の経済負担を抑えたい人にとっては見逃せない制度です。
一般選抜のほか、いわゆる推薦入試(学校推薦型選抜と総合型選抜)を受験する人も申請できる場合が多く、成績や家計状況に関する審査に通過して合格が決まれば、確実に奨学金を受け取ることができます。
充実した給付型奨学金制度を備える大学
全国のさまざまな大学で、独自の給付型奨学金制度が実施されています。
1校の中でも、支給期間や目的が異なる奨学金を複数備えているケースが少なくありません。
ここでは一例として、国公立大・私立大各2校の2023年春に入学予定の学生を対象とした予約給付型奨学金制度についてご紹介します。
※年度によって内容が変わる場合があるので、出願するにあたっては必ず各大学のホームページをご確認ください。
■国公立大
入学時にもらえる奨学金!
宇都宮大
宇都宮大学3C基金入学応援奨学金
人数:20人程度
おもな申請資格:世帯収入400万円以下の栃木県内の高3生。
給付額:30万円
給付時期:入学時
ポイント:対象が県内在住者限定なので、地元で進学したい人にオススメ。
※このように、地元出身者優遇の制度もありますので、お住まいの地域の大学の奨学金制度も、ぜひ調べてみてください。
「学費+生活費の一部」が支給される
広島大
広島大学フェニックス奨学制度
人数: 10人程度
おもな申請資格:世帯収入が、大学が定めた基準以下で、大学入学共通テストの得点が志願する学部・学科等の大学入学共通テストの試験配点合計の80%以上の学部新入生
給付額:入学料全額免除, 在学中の授業料全額免除 および奨学金給付(毎月額10万円)
給付期間:4年間
ポイント:学費が全額免除になるうえ、生活費の一部も支給されるため、費用負担をかなり抑えられそう。
■私立大
授業料の半額を負担してくれる!
明治大
おゝ明治奨学金
人数:1000名以内
おもな申請資格:大学が定めた家計・学業成績の基準を満たす学生
給付額:授業料年額2分の1相当額を給付(入学手続時は入学諸費用から減免)
給付期間:4年間
ポイント:定員数多めなので、成績+家計の基準を満たしているなら積極的に検討したい!
理系学部や自宅外通学の学生にうれしい
関西大
関西大学「学の実化」入学前予約採用型給付奨学金
人数:不明
おもな申請資格:大学が定めた家計・学業成績の基準を満たす学生
給付額:年間30~55万円(学部・出身地によって異なる)
給付期間:4年間
ポイント:関西圏以外の学生にはやや高額が支給されるので、学費+生活費のトータル金額を抑えやすい。
海外大日本校の給付型奨学金にも注目!
コロナ禍はまだまだ収束しないけれど、海外各国の入国規制などが緩和・撤廃される動きもあり、海外留学再開の兆しが見られます。
「学生時代に一度は海外大で学んでみたい!」と留学に憧れている人もいるのではないでしょうか。
しかし留学となると、日本国内での進学以上に費用が気になるところです。
そんな時に注目したいのが、海外大の日本校。
例えば、「文部科学大臣指定外国大学日本校」(外国の大学の課程を有する教育施設)として文科省から指定を受けている東京都世田谷区のテンプル大ジャパンキャンパスでは、学生内訳が日本人学生4割・アメリカ人学生4割・その他国籍の学生が2割と、まるで海外の大学で学んでいるような多様性を実感できる環境です。
また、キャンパス内ではすべて英語でアメリカ式の授業がおこなわれるため、日本にいながら海外留学に近い学び方ができます。
学びの自由度が高く、美術やコンピュータサイエンスなど幅広い内容を英語で習得できることに魅力を感じて入学する日本人学生もたくさんいます。
テンプル大ジャパンキャンパスでは、下の表のように複数の奨学金制度を用意しています。
特に、「持田・ストロナク全額奨学金」は、オプションとして、テンプル大アメリカ本校(ペンシルベニア州フィラデルフィア)への最長2学期間の留学(学費・諸費用給付)も含まれており、アメリカ留学を考えている人にオススメです!
テンプル大の奨学金
大学学部課程奨学金(Undergraduate Program Admissions Scholarships)
学業面やその他の活動において、優秀な成績または実績をもつ新入生に給付され、給付内容等によって以下の3種類がある。
・ダイヤモンド奨学金
入学後の連続した2学期分の授業料半額付与。以降、一定の学業成績を維持することで、最長6学期(秋・春学期のみ)にわたり授業料全額付与。
・学長奨学金
入学後の連続した2学期間分の授業料半額付与。
・TUJ奨学金
入学金相当額を付与。
TOMORROW HOPE - TUJスカラシッププログラム
卒業までの最長6年間、年間60万円の奨学金のほか、入学時と卒業時に10万円のお祝い金を付与。
選考時点で20歳未満であることなどが条件。
Bridge Program奨学金(Bridge Program Scholarship)
英語力が学部課程への正規入学基準に満たない学生の条件付きプログラム(Bridge Program)入学者を対象にした奨学金。
Bridge Program入学金相当額を付与。
持田・ストロナク全額奨学金
個人の寄付をきっかけに設立された奨学金。卒業までの学費・諸費用全額、最大約 1,055 万円を給付。期間は最大 10学期(期限 5年間)。
国公立高等学校を卒業見込みで、日本国籍を有する者が対象。
在学生対象の奨学金
優秀な成績を修め、且つ、経済支援を必要とする在学生を対象に、授業料の一部を免除する奨学金。TUJで最低12単位を取得していることなどの条件を満たす必要あり。
上に挙げた奨学金の給付条件等は一部です。
テンプル大の奨学金について、さらに詳しく知りたい方はこちらへ!
大学独自の給付型奨学金は多種多様で、「学びたい!」という熱い思いを力強くバックアップしてくれる制度です。
まずは「どんな大学・学部に進学したいか」「どの地域で学びたいか」を保護者の方と率直に話し合ってみましょう。
そのうえで、おうちの経済状況に応じて、憧れの大学や気になる大学の給付型奨学金制度にはどんなものがあるか、一緒にリサーチしてみましょう。
もちろん、奨学金によって成績基準が厳しかったり、定員数が少なかったりと「狭き門」の場合も。
でも、今から高校の成績アップを意識していくことで、めざす学びを実現できる可能性は十分あります。
これからも、大学の給付型奨学金制度に注目していきましょう!
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