人生の大きな決断の一つである、大学選び。学びたいことが見つからないから、イメージや偏差値で志望校を選んでいるという人はいませんか?
確かにそれも一つの基準ですが、「なぜか心惹かれる」「面白そう」といった小さなきっかけが、思いもよらない未来につながるのが大学という場所です。
そんな大学選びのヒントとして、早稲田大学の先輩の体験談に耳を傾けてみてください。
社会科が得意で政治経済学部を選択
学生を見て一変した早稲田大学のイメージ
お話いただく先輩
澤本 慧さん
政治経済学部 政治学科 4年
(東京都私立広尾学園中学校・高等学校 出身)
Q.大学進学前に描いていた将来像は?
A.漠然とどこかの企業に就職すると思っていた
正直にお話しすると、具体的な将来像は何も描けていませんでした。
大学進学前に私が早稲田大学に対して抱いていたイメージは、「ネームバリューが高い」「有名企業への就職に強い」といった非常に画一的なもの。
自分の将来についてもその延長線上で何となく考えていて、大手企業に就職して会社員をするのかなという、本当に漠然としたイメージしか持っていませんでした。
Q.早稲田大学を志望した理由は?入学後、イメージは変わった?
A.集まっている学生の多様さに驚かされた
父が早稲田大学出身であることと、高校時代、政治・経済の科目が得意だったことから、早稲田に行くのなら政治経済学部で学びたいと考えていました。
入学してみると、それまで抱いていた画一的なイメージが一変。キャンパスを歩いている学生の多様さに驚かされました。
それも国籍や出身都道府県といった表層的属性にとどまらず、価値観、好きなこと、目指している将来など、深層的なところでも一人ひとりが本当に違っていて、十人十色、多種多様という言葉がぴったりでした。
多様な個性が集まって、それぞれが輝きを放っている大学。これが今の私が思う早稲田大学です。
以前から興味のあった「都市」について
全学副専攻やサークルで知識を深める
Q.大学に入ってチャレンジしたことは?
A.全学副専攻で選んだ「都市・地域研究」の学び
学部を問わず、特定の学問分野を追究できる「全学副専攻」です。20以上もあるテーマから、私はもともと興味のあった「都市・地域研究」を選びました。
その中には社会科学系、工学系、人文科学系など多分野にまたがる科目が用意されています。たとえば社会科学系の科目ではヨーロッパの都市づくりを学び、工学系の科目では都市計画や景観設計に関する知識を養います。また、人文科学系では都市を切り口に哲学と社会の接点を考察するなど、都市という一つのテーマに対してさまざまなアプロ―チ法があります。
こうして複数の視点から学ぶことで、幅広さだけでなく奥深さもある都市についての学びができました。
全学副専攻制度
学部の専攻分野を問わず、特定のテーマを追求できる制度。専攻分野を補強・応用する分野を学ぶ、第二の強みをつくるべく新たな分野に挑戦するなど、活用方法はさまざま。それぞれの「学びへの動機」や「キャリアプラン」に基づいて、興味・関心のあるテーマにチャレンジすることができる。
Q.学び以外で力を入れていることは?
A.サークルの仲間と定期的にまち歩き
「早稲田大学地理学研究会」というサークルでの活動です。月に数回、巡検といって東京近郊のまちを散策し、合宿では日本各地を巡っています。
そこで毎回面白いと感じるのが、メンバーで同じまちを歩いて同じ景色を見ていても、着眼点が一人ひとり違うこと。ある人は文化人類学的な視点でまちを見て、ある人は政策的な側面から見て、また、信号機や歩道橋など特定のモノに詳しい人もいれば、断層や廃線跡に精通している人もいます。
私自身は土地利用の状態などに注目して歩いていますが、自分が何気なく通り過ぎたところが仲間にとっては宝のような場所だったりして、それを知ってからは自分の景色に奥行きが出て、世界を見る視点が豊かになりました。
好きなことを好き以上のものにできる!
それが大学での学び、出会い、経験
Q.今後の目標や卒業後の進路は?
A.建設コンサルタント企業に就職予定
卒業後は、建設コンサルタント企業の技術職として社会人キャリアをスタートする予定です。
もともと都市に興味があったとはいえ、入学当初は考えもしなかった理想的な職業に就くことができました。これは、まちのさまざまな側面とその価値を私に教えてくれたサークル仲間や、全学副専攻で都市に関する学びを深められたおかげです。
一般的に建設コンサルタント企業の技術職には、建築・土木系の学部学科出身者が多いです。しかし、全学副専攻で工学系の知識も学んだことが自信となり、挑戦してみようという意欲が生まれ、思いを実現することができました。
Q.高校2年生へのメッセージをお願いします。
A.授業だけでなく、大学そのものが可能性の宝庫
大学での学びや経験には、好きなことを単なる好き以上のものにできる楽しさがあります。そして自分の可能性を引き出してくれるのは、学部・学科の授業だけとは限りません。
それ以外の多様な学びの場やサークルをはじめとする課外活動にも、変化・成長のきっかけとなる出会いがたくさんあります。私自身、「都市」への興味を入口に、サークルで素晴らしい仲間に恵まれ、全学副専攻では貴重な学びを得ることができ、それが就職にもつながりました。
自分のやりたいことが明確にあるわけではないという人も、「好きなこと」をきっかけにして、そこに集まる人たちの空気感などに目を向けてみると良いのではないでしょうか。
まとめ
大学では専門的な学びももちろん重要ですが、それ以外の場所での出会いや経験からも多くのものを得ることができます。
今回の先輩のエピソードは、興味があったことに触れてみたことで、そこでの経験や仲間との出会いが自身の視野と可能性を大きく広げた、というものでした。
大学選びの際は、好きなことを切り口に、そこでキャンパスライフを送っている学生の姿やサークルをはじめとする課外活動にも目を向けてみてください。
大学の新たな一面が見えてきて、自分に合った大学選びができるのではないでしょうか。
<この記事を書いた人>
進研ゼミ高校講座
<協力>
早稲田大学
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。
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