進学したい大学・学部の絞り込み方がわかってきた推薦志望者に向けて、この夏から戦略的に取り組んでいきたい3つの「合格アクション」を紹介。大学生の先輩が推薦入試に向けて書いた志望理由とあわせてチェックしよう!
高2夏からの推薦合格アクション1:「志望理由」を意識しながら経験を積む
千秋先輩! 夏休みは気になっていた大学のオープンキャンパスに行ってきます。模擬授業とか推薦志望者向けの説明会にも参加して、気持ちを固めてこようと思います!
いよいよ推薦への気持ちが固まってきたね!
はい! これからいろいろ準備が大変そうだけど...。
そうなんだよね~。具体的な対策は高3からで間に合うけど、その下準備として高2からやっておくことってたくさんあるから。
やっぱりボランティアとか職業体験とか、ですか?
そうね、志望分野に関係する経験をどんどんしていくことは大切。ただしこれからは、「志望理由書や面接でその体験をどうアピールするか?」を考えながら行動するのがポイント。逆に言うと、志望動機に結びつけて語れるような経験をしていくってことかな。
確かに...ただいろいろやればいいってわけじゃないですよね。
まあ、そんなに難しく考えなくても、自分が興味のあることをとことん掘り下げていくと、それ自体が推薦入試で評価されるいい体験になるはずだよ。機会があったら先輩の志望理由書を見せてもらうと、どんな体験をしたらいいかわかってくるよ。
推薦合格した先輩の志望理由メモを再現!
高2のとき、1年間のまちづくりプロジェクトに参加し、その体験から「ジェンダーや福祉の視点からよりよい地域のあり方を考えたい」と考えるようになった。金沢大人間社会学域地域創造学類には、地域づくりについて学べるコースがあり、「ジェンダー・福祉と地域」についてさらに深く学べると考えた。
(金沢大 人間社会学域 総合型選抜合格)
高校の総合探究で『ガソリン以外のエネルギーを使う車を普及させるには』という内容でプレゼンテーションをした。その中で、各国では環境保護の観点から自動車電動化・ガソリン車規制に取り組んでいると知り、ガソリンの代替エネルギーとして水素を用いるエンジンの研究開発をしたいと考えた。水素の研究が盛んに行われている九州大にはエンジンの研究室があり、私が身につけたい内燃機関や水素エネルギーについて学ぶ環境が揃っているので、九州大の機械工学科を志望する。
(九州大 工学部 総合型選抜合格)
高2夏からの推薦合格アクション2:志望大・学部について徹底リサーチ
今から始めたいアクション2つめは志望大・学部の徹底リサーチ!
それは自信あります! 志望大を決めようと思っていろんな大学のサイトを調べまくったので。
今までは行きたい大学・学部を絞り込むためにリサーチをしてきたよね。これからは、志望理由書に書いたり面接で話したりする場面を考えながら、学部のカリキュラムとか各研究室で行われている研究、卒業生の進路、アドミッションポリシーを調べていくの。
ということは、今までと目的が違うんですね。これからは、志望理由を深めるための材料を探すためにいろいろ調べるっていうか...。
そういうこと! 私も高2の時から志望大・学部の情報を本格的に調べて、資料も集めたよ。知れば知るほど、大学のことがどんどん好きになっていったな~。
大学愛が高まりそう! それに、今から自分の中で志望理由をふくらませておけば、高3になってからあわてなくていいですよね。
そうそう! 調べたことはノートとかルーズリーフに書いたり、スマホでメモしたりして、後からいつでも見られるように記録しておくと必ず役に立つよ。
推薦合格した先輩の志望理由メモを再現!
福岡県立大は、私が取得したい資格免許がすべて取れる地元で唯一の公立大。また、学内にフリースクールが設置されている数少ない大学の1つであり、不登校・引きこもりの子どもたちや、その家族の支援に学生サポーターとして関わることができるのも魅力的だと感じた。
(福岡県立大 人間社会学部 学校推薦型選抜 公募制推薦合格)
近年流行している新型コロナウイルスが人間だけではなく動物にも感染することを知り、「人獣共通感染症」という分野に興味を持った。私は、このような感染症から動物と人を守れる獣医師になりたいと考えており、岐阜大には人獣共通感染症の研究室があることに加え、狂犬病や鳥インフルエンザに関する実習もあることから、目指す獣医師になるために岐阜大を志望する。
(岐阜大 応用生物科学部 学校推薦型選抜 公募制推薦合格)
高2夏からの合格アクション3:学びたい分野の情報収集
なんだかワクワクしてきました。アクション3つめは何ですか?
志望大につながるアクションだと思うとテンション上がるよね~。3つめは学びたい分野の情報収集!
え~と、観光学を学びたいと思ってるんですけど...。
情報の集め方はいろいろあるよ。観光に関係のあるニュースをチェックしたり、観光業界の動きを調べたり。もちろん本を読んでもいいし。観光は地域づくりとも関係が深いし、いろんな方向から調べられるよね。
なるほど! 私、将来は高齢の方に楽しんでもらえるレジャーを考えたいと思っていたので、そういう方面のニュースと集めるといいかも。
いいね! 集めた情報と自分の将来を結びつけて考えていくと、説得力のある志望理由になるよ。
やみくもに調べるだけじゃなくて、将来の夢や大学で学びたいことと関連させながら情報収集することが大切なんですね。
でも、思いがけないニュースから将来の夢が広がることもあるから、幅広く情報を集めていくといいかもね。
推薦合格した先輩の志望理由メモを再現!
東京学芸大で演劇的手法を用いた教育の効果と課題について研究したい。SNS上の希薄なコミュニケーションが常態化する現代において、子どもたちには知識だけではなく体験を通した理解が必要だと自分は考えた。人と人との生のコミュニケーションを体験できる演劇を通じて、子どもたちや社会の人々に対話の難しさと楽しさを伝えていきたい。
(東京学芸大 教育学部 学校推薦型選抜 公募制推薦合格)
パソコンのウィルス感染やハッキングのニュースを見て、情報セキュリティに興味を持った。そこで、情報セキュリティについて学べる大学を調べている時に東京理科大の研究室を知り、入学を志望する。
(東京理科大 理工学部 学校推薦型選抜 指定校制推薦合格)
まとめ
・高2夏からは、「志望理由」を意識しながら経験を積む
・志望理由を膨らませるつもりで、志望大・学部についてリサーチ
・自分の将来と結びつけながら、学びたい分野の情報を収集
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