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世界を股にかけて医療を求める人を助ける「国境なき医師団」

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この記事を書いた人

進研ゼミ高校講座

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時代や性別を問わず、なりたい職業のアンケートでは上位に入る医師や看護師。

その理由には安定性や長く働けるといった職業としての優秀さもありますが、医療従事者の最大の特徴といえば、

けがや病気で困っている人を助け、支え、寄り添ってあげられること

ではないでしょうか。

将来、医療の仕事に就きたいと考えている人もいることでしょう。

医療の仕事といえば近くにある診療所や病院の医師や看護師を思いつくかもしれませんが、特殊な現場で活動している医療従事者もいます。

その例が、医療を必要としている人がいるのに、医療そのものが無い/足りていない、世界中の場所を訪れる緊急医療団体です。

代表的な国際緊急医療団体として、1999年にノーベル平和賞を受賞した「国境なき医師団」があります。

国境なき医師団はアフリカ・アジア・中東・南米が主な活動地。

2011年に起きた東日本大震災では、4000件を超える診療や、救援物資の配布、医薬品の寄贈、仮設住宅や仮設診療所の建設支援などを行いました。

この度、同団で海外派遣を数多くこなし、現在は日本事務局の人事部で海外派遣スタッフの採用業務をしている白川優子さんが高校生向けオンライン講演会「第二回:看護師が語る紛争地のリアル。国と命の境目で。」で約90分にわたり自身の経験を語りました。

テレビで活動を知り、長い時を経て入団

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白川さんが国境なき医師団を知ったのは7歳の時。

テレビでその活動を観て、人種や政治的な考えの違いを乗り越えた活動に対して尊敬・あこがれを抱きました。

医療の仕事に興味を持った白川さんは看護師として働きますが、26歳の時に国境なき医師団がノーベル平和賞を受賞したのを知り、あこがれを取り戻しました。


そこで白川さんは同団に入りたいと考えるようになりますが、挫折することになります。

国境なき医師団では英語かフランス語が話せなければ採用されないのです。

当時の白川さんは語学が堪能ではありませんでした。

そこで、英語を勉強するためにオーストラリアへ留学、現地でも看護師の資格を得て、36歳でついに国境なき医師団に参加できるようになりました。

正解のない課題に対応する

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緊急医療団体では、活動に「正解」がない事態に直面することがあります。

リアルタイムで変化する状況に対応しなければならず、行動後に変わる事情により、結果的にベストにならない可能性もあります。

例えば、医療行為をしているエリアで突如戦闘が起こってしまった。

空港がいつ閉鎖になるかわからない状況下で、安全な場所に退避するのか、その場所で医療を続けるのかを判断しなければならない。


例えば、重度のやけどを負った2歳の子が運ばれてきた際に、一つしかない人工呼吸器をこの子に使用するのか。

近くの国境を超えるとより医療設備が充実した病院に移送できるが、国境を超えるには様々な手続きや交渉が必要で成否はわからない。


公式や方程式、ルールで解決できない状況が少なくありません。

重度のやけどを負った子供の例では、国境を越えてより良い設備での医療を行うことを目指しましたが、交渉中にその子供は息を引き取りました。

無念や憤り、怒りはもちろんあります。

しかし、そうしている間にも、紛争地では次から次へ重傷者が来るから、次の命に向かわなければなりません。

短時間で消化しきれるものでもなく、みなさんにも国境・戦争・人道支援が何かを考えていただきたいです

緊迫した現場を経験している白川さんだからこその重い言葉でした。

「現場は壮絶で亡くなる命は少なくありません。しかし、救える命もたくさんあります。ジレンマはたくさんありますが、救える命を救えた喜びが何よりも大きいですよ!」

国際的な医療機関で働きたいなら語学を勉強しよう

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36歳で国境なき医師団へ参加した白川さん。

これだけはやっておいたほうが良いということは?という視聴者の質問に

英語かフランス語の習得は若いうちからしておいたほうがいいな、と思いました。

7歳で知ったのに入ったのは36歳と、なぜこんなに時間がかかったのかといえば、それは英語ができなかったからです。

語学は、学生のうちからやっておいたほうが良いなと思いました


と答えました。

国境なき医師団では英語かフランス語で仕事をすることが求められます。

覚えるのが早ければ早いほど、活躍できる機会が早く訪れるのです。

世界を飛び回る国際緊急医療団体

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将来、医療系の仕事をしたいと考えていて、

「国内の病院や診療所でなく、世界中の困っている人を助けたい!」

そんな志を抱いている人にとって、国境なき医師団は活躍の場として、1つの選択肢になります。


医療の技術が無くても、非医療の職種という選択肢もあります。

また、チーム国境なき医師団のホームページ ではボランティアや事務局職員も募集しています。

世界で起こっている人道危機について知り、広めることも重要な支援の形です。

同団では人道危機の現場や国際医療団体で働くことについてのオンライン講演会やイベントも開催しています。

興味があるのなら、講演会やイベントなどへの参加から始めてみてくださいね。

【イベント報告】高校生向けオンライン講演会「第一回:国際人道援助に挑戦する理由」

【イベント報告】高校生向けオンライン講演会「第二回:看護師が語る紛争地のリアル。国と命の境目で。」

<この記事を書いた人>

進研ゼミ高校講座 
協力:国境なき医師団

※この記事は公開日時点の情報に基づいて制作しております。

 

コメント(1

Lemonade

2021年4月21日 19:18

なるほど…今はグローバル社会。将来就きたい仕事が出たときのために、英語をしっかりサボらずに勉強します!

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