皆さん、こんにちは!
中央大学法学部法律学科のなべです。
現在は慶應義塾大学法科大学院に通っています。
皆さんは、法学部と聞いて、どう思いますか?
法律を学ぶところ、と思うのではないでしょうか?
では、具体的にどういったことを行うか、知っていますか?
今回は、法学部ではどんなことを学ぶのか、やや専門的な部分も含めて、お話しようと思います。
是非進路選択の参考にしてください!
法学部ってなにするの?
法学部といっても、学科が異なると法律をあまりやらないこともあります。
例えば中央大学法学部だと、法律学科のほかに、政治学科や国際企業関係法学科があり、後者は法律学科よりも法律を学ぶ必要性が減ります。
そこで今回は法律学科にフォーカスします。
多くの法学部法律学科では、憲法・民法・刑法を必ず学びます。
そして、選択科目として、商法・民事訴訟法・刑事訴訟法・行政法を学べます。
さらに専門的に学びたい場合は、上記七法を深めたり、知的財産法や租税法等の別の法律を学んだりもできます。
これらに加えて、一般教養科目として、心理学や倫理学、スポーツ等を選択できますが、今回は法律科目のみに焦点を当てますね。
法学部って試験とか難しいんでしょ?
法学部を考えている人の中には、「試験がキツイと聞いた」、「遊べないと聞いた」という人もいるのではないでしょうか。
確かに、法律科目は期末試験一発で成績が決まることも多いです。
そのため、出席してれば単位をもらえたり、レポートを書きさえすれば単位をもらえたり、という授業は少ないです。
また、司法試験を目指す人も目指さない人も同じ期末試験を受けるので、勉強量の差から、目指さない人にとっては高い成績を取ることが難しくなりがちです。
しかし、授業をしっかり受けて理解すれば解ける問題ばかりです。
また、バイトや旅行などに行く法学生もたくさんいます。
自分の志望する大学の学部別の留年率を調べてみてください。
法学部だけ顕著に留年率が高いということはあまりないと思いますので、難しすぎるということはなく、学問探究機関としての常識の範囲だと思います。
具体的に何学ぶの?
では、具体的に何を学ぶのか、民法と刑法を使って考えてみましょう。
民法
下記問題を考えてみてください。
結論として、これは無効となります。
なぜなら、民法742条1号に「人違い...によって当事者間に婚姻をする意思がないとき」と記載されているからです。
今回の問題ならば、AさんとCさんに結婚する意思はないため、条文通り無効になるというわけです。
このように、条文の意味を解釈するという勉強を行います。
上記を基本に、「こういう事例はどうなるのか?」、「じゃあこの場合は?」等というように、最高裁判所やその他の裁判所の見解や研究者の見解を検討します。
刑法
続いて、刑法の場合を考えてみましょう。
ぱっと見ると、犯罪は成立しないように思います。
しかし、実は刑法246条1項の詐欺罪が成立します。
これは、不作為の詐欺といい、お釣りが多いことを指摘する義務があったのにしなかったことが理由です。
一方で、お釣りをもらった時に多く貰っていることに気が付かず、家で気が付いた場合には、占有離脱物横領罪という別の犯罪が成立します。
そもそもお釣りが多いことに気が付かなかった場合は、故意がないとして犯罪は成立しません。
上記の説明を見て「なぜ?」と思った方、是非法学部で学んでみてほしいです!
小括
よく、法学部生は六法を覚えるんでしょと聞かれますが、そんなことは全くありません。
勉強していくうちによく使う条文を覚えることはありますが、六法の条文を覚えるというよりは、条文の解釈や判例の理解が主な学習内容となります。
卒業後の進路
卒業後の進路として、司法試験を目指して予備試験や法科大学院に挑戦する人もいますが、実は少数です。
多くの人は民間企業に就職します。
他学部と比べると、やや公務員が多いくらいで、あまり違いはないです。
もちろん、大学ごとに差異はあるので、詳細は各大学のパンフレットやHPをご確認ください。
まとめ
では、最後にまとめましょう!
というわけで、法学部の実態について、お話してきました!
もし何か詳しく聞きたいことや法学部についてもっと知りたいこと、その他なんでも気になること等ありましたら、先輩ダイレクトで質問してくださいね。
いつでも指名質問をお待ちしております!
以上、なべでした!
<この記事を書いた人>
慶應義塾大学法科大学院在学中
中央大学法学部法律学科卒業
なべ
※この記事は公開日時点の情報に基づいて制作しております。
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