11月に入って、皆さんいよいよ志望大対策を本格的に始めた頃だと思います。
ただ、やるべきことが多すぎてこれまで過去問集や模試を解きっぱなしにしている人や、今の取り組み方で本当に得点力につながっているのか不安な人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、普段お茶の水ゼミナールで講師をされながら、進研ゼミ高校講座のオンラインライブ授業(主に『合格への100題』数学の数Ⅲありの授業)も担当されている下田先生に、効果を最大限引き出すための戦略的な過去問集・模試の活用術を語っていただきました!
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1 過去問集の活用法
1-1 取り組む前に準備すること
1-2 取り組んでいる最中に注意すること
1-3 解き終わった後の大事な振り返り
2 模試の活用法
3 最後に(問題演習で広く注意するポイント)
目的を明確にして過去問集に取り組もう!
早速ですが、まずは過去問集の戦略的活用術について、下田先生に伺っていきましょう。
こんにちは!数学担当講師の下田です。
突然ですが、もしこの中に過去問集に取り組む最大の目的が「傾向をつかむこと」だと考えている人がいたら、僕はとても心配です。
それはあくまで大前提。一番大事なのはそこから「プランを立てる/修正をかけていくこと」なんです。
ここでいう傾向とは、頻出の単元に留まらず、制限時間や問題量、合格者最低点など自分で調整ができないものを指します。
一方で、プランとは、それらを踏まえて自分で調整できることを指します。
特に過去問集や特定大の入試対策の模試に取り組む際には、このプランを実践しながら適宜修正をかけていくことが本当に重要になってきますので、今からその方法を詳しくお伝えしていきますね。
この記事の最後では、過去問集と模試に限らず11月の問題演習で広く注意すべきポイントもお伝えするので、ぜひ最後まで読んでいってください!
取り組む前に準備すること
それでは下田先生、過去問集を解くプランの立て方について教えてください!
最初に伝えておきたいのですが、プランは後で修正していく前提のものなので、1回目はあまり時間をかけすぎず、ざっくりと決めてOKです!
まずは各科目の目標点を決めましょう。合格平均点や出題分野を元に数学では何点取らなければならないか、英語では何点取らなければならないか、自分の得意苦手と相談しながら決めていくのです。
次に、その目標点をクリアするための大問数の目安を立てます。言い換えれば、切ってもいい大問数です。
特に例年出題されやすい分野がある場合はそれも考慮して、例えば「確率の大問を優先して、5大問中3大問の完答を目指す」のように決められると良いですね。
そして、各大問にかけられる時間も割り出しておきましょう。ここまで考えて、初めてプランを立てたことになります。だから、同じ志望大、学部でも人によってプランは違うはず!
取り組んでいる最中に注意すること
すると、過去問集に取り組んでいる時には、上で立てたプラン通りに解くという意識が重要になってくるのでしょうか。下田先生、教えてください!
おまかせください! その通り、自分で立てたプランがうまくいくかの実践意識を持つことは忘れないようにしましょう。
次に、そうやって時間制限をつけて解き終えた後、いきなり答え合わせをするのはNGです。答えを見る前に、時間を無制限にして解ける問題をすべて解ききってください。
その問題を得点できなかった原因は時間不足だったのか、それとも知識不足だったのかが、この後プランを見直して修正するために非常に重要な材料となります。
時間無制限で解き終わったら答え合わせをして、制限時間内で解いたところまでの点数と、無制限で解いた後の点数をそれぞれ算出しましょう。
これもだいたいで構いませんし、配点がわからないときは正答率で出しても大丈夫です!
解き終わった後の大事な振り返り
解き終わった後の振り返りも、忘れちゃいけないですよね。下田先生、お願いします!
そうですね。まずは普段問題集を解いた後のように、教科的な観点で振り返ります。例えば数学であれば、各問題で「解法」に対しての反省をかくイメージです。
このとき、原因とどうすべきだったかの対応策を具体的にかくこと!
そしてこの後が一番重要で、必ずプランに対する反省と、次回に向けたプランの修正をするようにしてください。
例えば1つの大問を完答できていたとしても、そこに時間をかけすぎていて、結果本来落としてはいけない問題を時間不足で落としていた場合は、プラン実践の観点では失敗していることになります。
模試に取り組むときの注意点は?
さて、過去問集の次は模試の活用法です。模試は模試で、また別の活用法を覚えなければいけないのでしょうか。下田先生、教えてください!
一般的な模試の場合、実は上で紹介した中で「時間配分」のプランだけ立てて実践すればOKです!
模試を時間内で解いた後、時間無制限でも取り組んで丸付けしてから、教科的な振り返りと時間配分の振り返りをしましょう。
ただし、特定大の入試対策の模試や共通テスト形式の模試の場合は別です。
これらについては出題される大問数や分野などの傾向をあらかじめ予想できるので、過去問集と全く同じ観点でプランを立ててから取り組み、振り返りをするようにしてください!
最後に
ここまで、過去問集と模試の活用法をお伝えしてきました。
まとめるとこちらです。
過去問集や模試に限らず、問題演習を進めていく中で模範解答がどうしても理解できず、振り返りが進まないこともあるかもしれません。
そのようなときは、理解できない解答で復習するのではなく、ぜひ学校の先生や教科質問サービス(「ゼミ」教材対象)に質問してみましょう。
模範解答の詳しい解説をしてくれることもあれば、それとは別の、より自分に合ったわかりやすい解答方針を教えてもらえることもあるはずです。
困ったときには1人で悩まず、授業や指導をもらえる機会を積極的に見つけて利用して、志望大対策を進めていきましょう。
私の授業では、独学ではなかなか身に着けることができない「そもそも話」と「頭の使い方」をメインに教えています。
毎月の『合格への100題』 (数Ⅲありのタイプ) や、8月号期間の「共通テスト対策 夏期スタート特講」のオンラインライブ授業も担当しているので、まずは苦手分野の録画だけでも役立ててもらえると嬉しいです。
オンラインライブ授業の参加も待っています!
その他の科目のオンラインライブ授業も、ライブだからこそ伝えられる+αの内容をお届けしています。
※オンラインライブ授業および録画授業が視聴できます。
<この記事を書いた人>
進研ゼミ高校講座 数学担当 O
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。
もっさん
2021年11月 7日 19:01
記事を参考に実践してみます!いつも分かりやすくて楽しい授業をありがとうございます!
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