「私、文系だから、数学は勉強しても意味がない!」
「数列も2次関数も、難しいし、無意味だ!」
って感じていませんか?
たしかに大人になってから、「高校で習った数学を1回も使ったことがない」という人もいるようです。
そこで! 理系新人編集者ワイワイ(僕)は考えた!
「数学はキミの生活にも役立つよ!」って高校生のキミに伝えたい!
今回は、「数学を知らないと、将来お金で損するかも...!」という話を、数学Bの「数列」の単元を使って、紹介していきます。
図解でわかりやすく書いたので、まだ数列を習っていない人も、数学がニガテな人も、ぜひ最後まで読んでみてください!
今回は「リボ払いの罠」を紹介していきます。
リボ払いとは?
テレビCMで「リボ払い」という言葉を聞いたことはありますか?
リボ払いとは、「クレジットカードなどで、一括払いではなくて、毎月同じ金額(例えば毎月1万円ずつ)支払っていく支払い方法」のことです。
「毎月のお支払い額が一定で、家計の管理に役立つ」などと紹介されています。
しかし、実はリボ払いには、かなり大きな罠が潜んでいるのです。
クイズ
いきなりですが、ここでクイズです!
以下のような状況を考えてみましょう。
大学1年生になったあなたは、20万円のPCを購入しようとしています。
一括払いは厳しいな、と感じて毎月3000円でコツコツ支払うことにしました。
「毎月支払い金額が一定で便利」と書いてあったので、リボ払いを選びました。
「ただし、リボ払いは年利18 %」とのことです。
さて、いつ頃払い終わるでしょうか?
こんなイメージをもった人も多いのではないでしょうか?
5.6年くらい、つまり社会人になるころには、支払いが完了すると、感じませんか?
ですが...
実際は、なんと23年もかかります...!!
18歳でPCを購入したとして、支払い終わるまでに41歳までかかってしまいます。
23年後のあなたは、そのPCをとっくに使っていないでしょう。
ずっと支払いが終わらない...。
数列で「リボ払いの罠」を解き明かす
今回は、数学Bの「数列」の知識を活用して、リボ払いについて向き合っていきましょう。
借金の残高と利息の関係を整理して、「毎月実質いくら借金が減るのか?」を考えよう
年利18 %とは、
18 (%) ÷12ヶ月 = 1.5 (%)
で借金の残高(返済すべき金額)に対して、毎月1.5 %の利子がかかることを表します。
ちょっと難しく感じる金利の計算を、2つのステップに分けて考えてみます。
STEP (1) 3000円を支払う
まず、3000円を支払うことで、最初の借金の残高から、3000円を引きます。
すると、借金の残高が19万7000円となります。
STEP (2) 利息で、借金の残高が1.015倍になる
借金の残高が利息によって、1.015倍になります。
この流れをまとめると、以下のようになります。
最初の1か月目で、3000円支払っても、2955円が利子として追加されるので、実質、45円分しか支払いが進みません。
リボ払いでは、「せっかく支払ったのに、利子がかかるため、ほとんど支払いが進まない」という状態になるのです。
全然返済が進まない...!
一般項で表してみる
それでは、この流れを、「nか月目」として、当月と次の月の関係を表してみます。
「毎月3000円支払い、借金の残高に対して1.5 %の利息がかかる」というのを数式で表すと、こんな感じになります。
これは!
数列の漸化式です!
普段、数式だけを見ても意味がわからないと思っていても、
こうやって図や言葉で説明されると、わかりやすくなっていると感じませんか!?
返済状況を可視化してみよう
借金の残高の変化を、グラフにして見てみましょう
青線の分割払い(無利子)なら直線的ですが、
赤線のリボ払いは、同じ金額を払っていても、借金の残高が減るのがとてもゆっくりなのです!
毎月コツコツ3000円を支払っても、ほとんどが利子として消えてしまいます。
リボ払いを選択すると、20万円のPCを買うために、なんと85万円も支払う必要があります。
リボ払いは「支払いがなかなか終わらない罠」があるので要注意です。
また、分割払いも、利子がかかることが多いので、注意しましょう。
金利や条件をよく確認して、自分で考えることが大切です。
数学の問題風に書いてみる
数学の問題のように書くと、こんな問題になります。
この問題を見ても、無味乾燥でつまらなく感じますが、実はリボ払いの支払い月数を求める問題になっているのです。
「なんのためにやっているのだろう...」と感じる数学の問題も、生活に置き換えれば、少しなじみが出てくるのではないでしょうか?
この記事の最後に式変形の途中式をSpecialおまけとして載せておきます!
数学好きの人は要チェック!
まとめ
数列の知識を知っていれば、「リボ払いの罠」に気づくことができるのです!
「数学は難しいし、勉強したくないな...」と感じているかもしれません。
数学を知っていると、「自分で考える」という力が身につきます。
数学がニガテと感じているあなたも、「数学って自分に役立つから勉強しよう!」と少しでも前向きに勉強に取り組んでもらえればうれしいです!
記事のコメント欄に、皆さんの「何のために勉強するのかわからない」と感じる分野を書いてくれるとうれしいです!
(数学に限らず、古文漢文・物理・化学・日本史など、なんでもOKです。)
「その科目、実はキミにも役立つよ!」という記事を書いてみます!
おまけの式変形
漸化式の一般項を求める式変形と、借金の返済が完了するまでの期間を求める過程を、簡単に解説します。
<この記事を書いた人>
進研ゼミ高校講座 ワイワイ
デジタル大好きで、高校生のときは自称「誰よりもスマホ便利アプリに詳しい高校生」。
数学・物理・古文・漢文・英語・地理など、なんだかなだいろいろ得意科目でした。
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。
匿名
2024年5月11日 23:45
めちゃくちゃおもしろい!
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