日本語は省略されすぎている!?
こんにちは。お茶の水ゼミナール英語科講師の堤です。
実際に英語を使いこなす上で必要不可欠なのは実は文法。文法講義連載の第2回目、テーマは「比較」。
今回も曖昧になりやすいポイントを1つずつクリアにしていきましょう。
何かと何かを比べて、「同じ」「より大きい」「一番だ」ということがいえると、伝えたいことがよりわかりやすくなり、英語の表現がとても広がりますよね。
ただし、英語における比較のルールの理解が不十分だと、正しく伝えることができなくなってしまいます。
例えば、この文を英語で表現してみましょう。
「馬の鼻はロバよりも長い 」
(※ロバ: a donkey )
もしかしたら
The nose of a horse is longer than a donkey.
と考えた人はいませんか?
このままだと「馬の鼻がロバの全長よりも長い」という意味にとらえられてしまいます。
ここで表したいのは「馬の鼻がロバの鼻より長い」ということですよね。
The nose of a horse is longer than the nose of a donkey.
と書かなければいけません。
もしくは2番目のthe noseは「それ」という代名詞that(複数ならthose)で代用して
The nose of a horse is longer than that of a donkey.
と書いてもOK。
このように、比較される対象は「同じタイプ」のものでなくてはならないのです。
つまり、日本語では書かれていない部分を自分で補って、何と何が比較されているのかを常に確認しないと間違えてしまいます。
比較されている対象を見破るには?
さあ、何と何が比較されているのかを考えて、次の日本語を英語で表してみましょう。
「彼は見かけより若い」
これも
He is younger than his appearance.
としてしまうと「彼」という「人間」と「彼の外見」という「ものごと」を比べていることになり、不自然な英文になってしまいます。
ではどのように表すか。
まずは比較級を使う前の元の文を考えてみましょう。
そうすると
He is young. と
He looks young. (彼は若く見える)
となります。
この2文の is とlooks という動詞を比較すると考えれば、自然な英語は
He is younger than he looks.
になりますね。
このように、何と何を比較しているか考える際に元の文は何なのかを考えるとわかりやすくなります。
最後にもうひとつ考えてみましょう。
「彼は昔より親切だ」
この文も
He is kinder than the past.
とはなりません。
He is kind.
He was [used to be] kind.
を、比較級を使う前の元の文だと考え、is と was [be used to] の動詞部分を比較しているとわかれば
He is kinder than he was [used to be].
が正しい英文となります。
他にも間違いやすい「比較対象」を扱った英文の解説を、次の動画で確認できますよ。
\動画を見る/
※YouTubeに遷移します。
実は僕が解説している動画なんです。
比較の対象についてさらに理解が深まったらよいのですが!
ただ、ここでせっかく理解したとしても、すぐに忘れてしまってはもったいない。
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<記事を書いた人>
お茶の水ゼミナール 英語科 堤
次回は「準動詞」の講義を予定しています。お楽しみに!
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※この記事は公開日時点の情報に基づいて制作しております。
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