関係詞の違い、どこで区別している?
こんにちは。お茶の水ゼミナール英語科講師の堤です。
英語を読んだり書いたりして、実際に英語を使いこなす上で必要不可欠なのは実は文法。
今月から、曖昧になりやすいポイントを1つずつクリアにする、文法講義を全3回の連載で掲載していきます。
今回は第1回目「関係詞」。
関係詞を自由に使いこなせると、より多様で複雑な内容が表現できるので、ハイレベルな読解や英作文に取り組むためには、まず正確な理解がとっても大切!
でも、どの関係詞を使うのが正しいかを選ぶ文法問題の時点でつまずいている人、意外と多いのです。
もしかしたらwho, which, thatなどの「関係代名詞」とwhere, when, why, howなどの「関係副詞」を、先行詞(関係詞が作るかたまりによって修飾される名詞のこと)の違いだけによって判断していませんか?
例えば先行詞がthe boyならwho,the reasonならwhyのように。
でもそれは中学生レベルの関係詞の使い方かもしれません。
試しに問題を解いてみましょう。
「( )の前にはa new library という「場所」を表す語句があるからwhereが入る!」と思った人はいませんか?
実はこの( )には、whereが入ることはできません。
なぜここにwhereが入れられないのか説明できますか?
わかっていないと、同じような問題が出てきたときにまた間違えてしまいますね。
さあ、関係詞の正しい使い方を学んでいきましょう。
関係詞は、後ろに続く文の構造で区別する!
関係代名詞と関係副詞の識別ポイントは、先行詞に加え、関係詞の後ろに続く文の構造です。
関係代名詞は名詞の代わりをします。
ですから関係代名詞の後ろには、必要な名詞が欠けている不完全な文(主語・目的語・補語のいずれかが欠けている)が続きます。
反対に、関係副詞は副詞(情報を付け足す働き。なくても意味が通る)の代わりをしますから、関係副詞の後ろには意味としても構造としても成立している完全な文が来る必要があるのです。
例えば
Do you know the girl who is singing now?
「あなたは今歌っている女の子を知っていますか」
この文は先行詞の the girlに注目するだけでは不十分。
関係代名詞whoの後ろには主語が欠けている、文として不完全だ、ということも確認したうえでwhoが適切なのだと判断します。
これをふまえて、最初の問題をもう1回見てみましょう。
たしかに ( )の前にあるa new libraryは場所を表すからwhereかな? と思ってしまいますね。
だけど、そこでストップ! ( )の後ろをよく見てみましょう。
( )の後ろは主語が欠けていていきなりhasが来ています。
ということは( )の後ろは不完全な文です。
つまり後ろに完全な文が来なくてはいけない関係副詞のwhereは使えません。
というわけで、ここに入るのは関係代名詞のwhichもしくはthat、ということになります。
関係代名詞と関係副詞の使い方をマスターするには、先行詞が何か?ということだけではなく、関係詞の後ろに続く文の構造(完全文なのか、不完全文なのか)まで見抜かなければいけないということがわかったでしょうか。
では力試しに次の問題を実際にやってみましょう。
完全な文に必要な要素が改めてわかって、理解が一気に深まりますよ。
ただ、ここでせっかく理解したことをすぐに忘れてしまってはもったいない。
理解した内容を定着させて、使いこなせるようにするには、自分で訓練していかないと、ですよね。
僕がおススメするトレーニングは理解した文法事項(例えば、今回の例ならば関係詞)を使った英作文をたくさん書くことです。
実際に手を動かして何度も何度も反復することによって、より理解が深まり、「英語を書く」力も身につけることができます。
※問の答え
(1)where (2) whichまたはthat
文法を徹底的に理解すると、英語を書けるようになる!
このような「文法事項の理解+英作文によるトレーニング」が効果的にできるのが「お茶の水ゼミナール英語monogrammarシリーズ」になります。
このシリーズは牧秀樹教授監修のもと、生徒のみなさんがひとつの文法項目を徹底的に理解し、書き、解くことを目的とした英文法参考書・問題集になっているので、ぜひ手にとって英語力をどんどんアップさせていってください!
各セクションに、10題の作文問題付きで英語を作る確かな力を育てます。
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<この記事を書いた人>
お茶の水ゼミナール 英語科 堤
次回は「比較」の講義を予定しています。お楽しみに!
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※この記事は公開日時点の情報に基づいて制作しております。
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